空の中

有川浩
網を入れる度に結構な数の雑魚を殺生すらあね。
外すに手間も要るし、正直なところ火振りをするには邪魔よ。
鮎だけ掛かってくれればどればあ楽かと思うわ。
けんど、雑魚が邪魔の要らんのいうがはわしらの勝手な都合ぜよ。
雑魚と呼びゆうがもわしらの勝手ぜ。
魚の方は、自分が雑魚じゃ邪魔じゃは思っちょらんきね。
ただいきちゅうだけじゃ。
ただいきちゅうだけのもんを、わしらが要るの要らんの、えいの悪いの、勝手に分けゆうがよ。
これは川だけじゃのうて、海でも山でもそうよ。

メルヴィル
白鯨

まだ足りないのだ。
いつ足りる。
どこまでやれば足りる。
母は、まだ終点を示さない。

ごまかそうとすればするほど、後の揺り戻しはひどうなるわね

最後に許された証拠の言葉が欲しかったなんて、そんな甘えたことは言えない。

ちょっとかわいい困り者の幼なじみが、紆余曲折を経て特別な女の子になった夏だった。

だから、君は自由に未来を選べます。
それだけのものをおじいさんとお父さんは君に遺された。
読了。