塩の街 with on my precious
新宿区立四谷図書館
確かに余計なものだ。この二人の空気における自分の存在は。
このご時世に、殴れば人を殺せそうな重さの荷物を背負って、海のない県から海を目指して歩いてきたバカ。
そのバカを拾うバカ。
そのバカにほだされるバカ。
誰が見てても見てなくても、毎日こんな景色なんですね。夏じゃなくても、あたしたちがいてもいなくても、毎日こんなきれいなんだ。
この世に神がいるとすれば、それは中庸というものを知らないに違いない。
願いの叶え方はいつも足りないか極端かどっちかだ。
ケネディ ジャクリーヌ
あたしの前じゃなきゃ良かった、あたしさえ見ないで済めばそれで良かった。他の誰が見ることになったって、あたしさえ見ないで済めば、それでおんなじなんです。あたしも。
あたしたちの恋に、ただ乗りしたんだから。
読了。